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映画「ソロモンの偽証」のあらすじとネタバレと感想を語る

5/20、5/27と金曜ロードSHOWで、映画「ソロモンの偽証」前編・後編が初地上波放送される。

原作は宮部みゆきで、ハードカバー3冊、文庫6冊の超大作。


ひとりの生徒の死を巡って、中学生が裁判をするという内容で、複雑に事情が絡み合いとてもおもしろいのだが、非常に物語が長い。

 

映画「ソロモンの偽証」は主人公の藤野涼子役を始めとして、1クラス分のキャストを決めるために日本映画史上最大のオーディションが行われたことも話題になった。

●ソロモンって誰だ?タイトルが言いたい事とは?

ソロモンとはソロモン王の事で、賢い裁きをする人・知恵の象徴として描かれることが多い。

超有名なソロモン裁きのエピソード

二人の母親が互いに一人の子を自分の子と言いはる。

ソロモンは、「子供を引っ張り合い、勝った方を母とする」と母親たちに告げる。
母親たちは子供の腕を引っ張り合うが、子が痛さのあまり泣き叫ぶと、片方の母親はいたたまれずに、腕を離してしまう。


ソロモンは先に手を離した方を母親とした。

 

そんな、賢い裁きを行う、ソロモンが偽証したとしたら?
というのが、物語のタイトルとなっていると思われる。

 

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↓長いですネタバレ注意です↓

●ソロモンの偽証あらすじ・ネタバレあり

事件の起こり

主人公である藤野涼子のクラスメイトの柏木卓也が屋上から転落して、死亡するという事件が起こる。

警察は事故として処理したが、その後「大出俊次が犯人である」という、告訴状が学校に届くことになる。

マスコミや生徒達を巻き込んでの騒動となるが、主人公の藤野涼子が大出俊次の汚名をはらすため、学校内で裁判を開く事を提案する。

 

告訴状を作成した人は誰?

裁判が続く中、三宅樹里という生徒が告発状を作成した人物だと分かる。
三宅樹里は犯人だと名指しした、大出俊次にイジメを受けており、その復讐のため、犯人が大出であるとの告訴状を出したのだ。

しかし、この告訴状の出どころを知られそうになった時に、三宅樹里が告訴状を出すのを手助けした、唯一の友人といってもいい、浅井松子が交通事故にあって亡くなってしまう。(直接手を下してないが、告訴状の件で亡くなったといえる)

 

事件の真相は?

神原和彦(他校生だが、柏木卓也の友人である)の証言で、事件のあらましが、明らかとなる。

その日、神原和彦は柏木卓也に呼び出され、学校の屋上に二人でいた。

神原和彦は不幸な生い立ち(アル中の父が母を殺した上に自殺)をもっており、そのトラウマを克服するため、柏木に提案された「父母の思い出の地を巡る辛い旅」を成し遂げ、トラウマを克服したと告げる。

しかし、柏木卓也が欲しかったのはそんな言葉ではなかった。

大出と衝突し悩み、不登校になっていた柏木卓也は不幸な生い立ちの神原和彦を見下し、優越感にひたっていた。
だから、「父母の思い出の地を巡る辛い旅」を失敗し、挫折した神原の打ちひしがれた姿を見たかったのだ。

しかし、思いに反して、神原和彦はトラウマを乗り越え、人間として成長し、感謝されてしまう。

腹を立てた柏木卓也は「お前を見下していた、友人などではない」と、神原和彦を罵るが、神原和彦はそんな彼を置き去りにして帰ろうとする。

帰ろうとする神原和彦に、柏木卓也は自殺をほのめかすが、神原は無視をして立ち去る。

そして、次の日、柏木卓也は遺体となって発見された。

 

裁判の判決

神原和彦は柏木の死は自分に責任があると、自責の念にかられているが、弁護士役である野田健一は逆に、神原和彦を死に追いやろうとしていたのは柏木卓也ではないか?と指摘する。

 

そして、被告である、大出俊次は無罪、自責の念にかられている神原和彦も無罪、犯人は自ら死を選んだ柏木自身であるという結論となった。

 

●ソロモンの偽証の感想

後味が悪いの一言に尽きる。

 

三宅樹里

告訴状を書いた犯人である、三宅樹里のくだりが物語の中で、最高にいらだつ。
三宅樹里は皆に嫌われている性格最悪の女の子として描かれている。


そして、自らの大出に対する復讐に浅井松子を巻き込んで、結果的に死に追いやっている。

浅井松子は何も悪くなく、すごいいい子なので、なぜこの子が死なねばならなかったのかが、分からない。

 

だが、浅井松子の死によって、彼女は一生枷を背負って生きてくことになるだろうとも思う。


それまで、自分本位でしかモノを考えられず、全て他人が悪いと思っている彼女に変化があったと思う。
でも、それが友達の死であることはあまりにも、ひどすぎる。

大出俊次

DQNで、全ての元凶はこの男。クズの権化。
こいつさえ、いなければ事件は起こらなかったと思うが、このような人はある一定数で存在すると思う。

 

これを機会に、自分が息をするようにしていたいじめが、相手の人生にとって、どれだけの影響を与えるのかということを真摯に受け止めてもらいたい。

 

柏木卓也

物語が進むにしたがって、こいつも相当なクズだということが明らかになっていき、死んで当然だぐらいに思えてくるが、彼はかわいそうな人なんだなと思う。


誰も彼を「柏木卓也」という人間を見ていない。

 

そして、もしかしたら、最初に彼を見てくれる人になっていたかもしれない、神原和彦の事を自分の手で突き放している。

まとめ

後味が悪いんだけれども、現実世界ではおそらくありえない、生徒が生徒を裁く裁判というお話は面白かったと思う。

 

 

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